“Crisis and Compensation”から見える今の日本

今週の授業で発表した論文の話。

Kent E. Calderというアメリカの日本専門家が日本の1949~1986年の保守政治を分析して書いたCrisis and Compensationという論文の発表を行いました。

ものすごく簡単に内容をまとめると

昔の自民党政治は安定していたように見えて、安保闘争とか角福戦争とか経済成長にまつわる様々な問題とか、色々なCrisisがあって安定していたとは言いがたかった。その中で自民党の政治家たちが自分たちの地位を守るために、non-effectiveな分野に、農業とか中小企業とか対して予算の多くをCompensationとして注入してきたというお話。

発表後教授にこの仕組みは現在はworkしていない理由はなぜか、と問われて、私は

1、選挙法の改正 2、地方の開発が済んでいるのでCompensationが効率的ではない 3、予算に余裕がない

という点を指摘し、教授からも賛同を得た。

その後で教授はこう言った。

「日本の今の問題は昔の成功していた時代にしがみついているところ。政治の世界ではCompensationのロジックはもう機能しなくなったのにmiddle age 以上の政治家はまだそれに頼って非効率な予算の分配を行っている。企業に於いても過去の成功を語るだけで新しい価値を生み出そうとしない。日本人が過去の栄光の話をいくらしようと私たちは興味がない」

私はこの指摘は非常に的確だと感じた。

これから全く新しい日本を作っていく。それくらいの気概がないと「日本再生」などは難しいのではないのだろうか。

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